2007.06.20 : 平成19年第2回定例会(第10号) 本文
「障害児教育(特別支援教育)その1」
◯二十四番(早坂義弘君)
特別支援教育について伺います。
昨日の我が党の代表質問に対し、東京都教育委員会は、特別支援教育推進計画第二次実施計画を、本年秋をめどに発表することを明らかにしました。
平成十六年に策定された第一次計画では、我が杉並区に特別支援学校永福学園を開設し、知的障害が軽い生徒を対象にした知的障害部門高等部をスタートさせるなど、児童生徒の自立と社会参加を目指すさまざまな施策を行ってきたと思います。
特に、公立の小中学校との連携においては、東京都独自の施策である副籍モデル事業、すなわち、都立の盲・ろう・養護学校に在籍する児童生徒が、居住する地域の公立の小中学校にも副次的な籍を持ち、交流を行うことなどを実施し、今後の方向性を示すガイドラインも発表しました。
こうした第一次計画の実績をさらに充実させ、第二次計画が策定されるものと思います。その際、都立の特別支援学校が各地域において中心的役割を果たすことが、特別支援教育の体制整備を推進するために必要です。それぞれの地域ごとに関係機関や専門家が連携してネットワークを築ければ、障害のある児童生徒を支援する、全都的な特別支援教育体制が整備できるのではないでしょうか。第二次計画において、このネットワーク構想をしっかりと位置づけるべきと考えます。ご見解を伺います。
その第二次計画でぜひとも取り組んでいただきたいものに、就学前の乳幼児期の取り組みがあります。
先般、学校教育法の改正により、小中学校だけでなく、幼稚園、保育所も支援の対象になりました。乳幼児期の取り組みが、特に障害児にとっては、その後の成長や発達に大変大きな影響を与えます。既に区市の保健所、保育所では、乳幼児期における障害児への支援体制をとっているところもあります。そこで、東京都教育委員会としても、障害児にとって最も大切な早期発見、早期発達支援を、区市の幼稚園や保育所と連携し、現在策定中の第二次計画に盛り込むべきと考えます。ご見解を伺います。
ありがとうございました。
◯教育長(中村正彦君)
次に、ネットワークの構築についてでありますが、特別支援学校を中心として、さまざまな関係機関や専門家が連携して障害のある児童生徒等を支える体制を構築することは、大変重要な課題であると認識しております。
第一次実施計画におきましても、特別支援学校、小中学部設置校を拠点といたしまして、地域のさまざまな関係機関や専門家が、障害のある児童生徒の一貫した支援体制を構築するエリアネットワークの構想に基づきまして、通常の小中学校も支援対象とし、モデル授業を実施してきたところでございます。
第二次実施計画の策定に当たりましては、小中学校を中心にモデル授業を実施してきた成果を踏まえまして、こうしたネットワークの考え方が乳幼児期から高等部までの成長段階に応じて展開されるよう、具体的な方策を示してまいります。
次に、区市の幼稚園や保育所との連携についてであります。
乳幼児期におきまして、できるだけ早く障害を発見し、適切な支援を行いますことは、その子どもの成長にとって極めて重要でございます。
第二次実施計画におきましては、障害のある幼児に対する幼稚園や保育所での支援を小学校等につなげるため、幼児の発達の様子などを記録した就学支援シートの区市町村への普及を図り、障害のある幼児の就学が円滑に進むよう、支援してまいります。
さらに、障害のある乳幼児につきまして、障害の実態や支援の目標、方法などを記載する個別指導計画を作成するなど、障害のある乳幼児を支援するための新たな取り組みを行ってまいります。