2008.09.16 : 平成20年文教委員会
「都立スポーツ施設の整備」

早坂委員

 東京都は、本年七月に、平成二十八年度までを計画期間とする新たなスポーツ振興基本計画を策定しました。この計画では、平成二十五年の東京国体や、その三年後の二〇一六年、東京オリンピック招致を視野に入れ、まちづくりとスポーツという新しい視点から、スポーツ都市東京の実現に向けた具体的な取り組みを示しています。
 ことしは北京オリンピックが開催され、我が国から多くのメダリストが誕生しました。このうち、水泳の北島康介選手を初めとする十一人が都民でありました。今後も東京から多くの世界的アスリートを輩出するために、そして都民が日常的にスポーツを行うために、スポーツ環境を整えていくことが重要であります。
 そこで、まず都立スポーツ施設の整備について、東京都の考え方を伺います。

◯細井スポーツ振興部長

 早坂副委員長のご質問にお答えいたします。
 都内には国立から民間の施設までさまざまな設置者によるスポーツ施設がございまして、都民の日常的なスポーツ活動や大規模大会などに利用されてございます。都立のスポーツ施設は、都民のスポーツ活動の拠点であるとともに、全国的、国際的なスポーツ大会を開催する場として、都のスポーツ振興において重要な役割を果たしております。
 このような認識のもと、施設整備につきましては、スポーツ大会を開催したいという施設需要や都民ニーズに加え、立地における交通の利便性、地域の人口や区域の面積などに加え、維持管理のための必要な経費の算出など、長期的な財政状況など、さまざまな要素を総合的に判断するものというふうに考えてございます。

早坂委員

 スポーツ振興基本計画では、都民の身近なスポーツ活動の場は区市町村が設置するものとしています。都民の日常生活にスポーツを浸透させるには、身近なスポーツ活動の場として区市町村のスポーツ施設は重要な役割を担っており、都民の期待も大きいものがあります。
 都民のスポーツを振興する観点から、東京都は、区市町村が行うスポーツ振興の取り組みを支援すべきと考えます。ご見解を伺います。

◯細井スポーツ振興部長

 地域におけるスポーツの振興を図るためには、住民にとって最も身近な自治体である区市町村と連携し、スポーツ環境の整備を図ることが重要と考えております。
 都は、住民のスポーツ環境を整備しようとする区市町村の取り組みを支援するため、区市町村のスポーツ振興計画策定を前提に、当面活用計画がない都有地を運動場などとして暫定的に貸し付けできるように検討していきます。

早坂委員

 昭和三十九年の東京オリンピック会場となった駒沢オリンピック公園を初めとする都立スポーツ施設の中には、老朽化が進んでいるものもあります。東京都はこれまで、厳しい財政状況の中で、都民に安全な施設を提供するための必要最低限の補修を行うことで施設の維持管理を行ってきました。東京国体や東京オリンピック招致を見据え、このような老朽化した施設を大規模に改修や改築して、国際大会などを開催するのにふさわしい施設として再生すべきと考えます。また、防災拠点としての役割や省エネ化、ユニバーサルデザイン化など、かつてはかんがみられることの少なかった視点を盛り込むことも必要です。ご見解を伺います。

◯細井スポーツ振興部長

 早坂副委員長ご指摘のとおり、東京オリンピックのレガシーである駒沢オリンピック公園総合運動場は、建築から四十年以上経過いたしまして、老朽化が進んでございます。これまでも改修工事を繰り返し、硬式野球場の管理棟は昨年リニューアル工事を実施いたしましたが、都立スポーツ施設の改修状況を見ると、抜本的な改善には至っていない、このように感じております。
 そこで、今後は、都立全施設の現況を把握するため、劣化度調査を行いまして、その上で長期的な保全計画を策定しまして、設備の更新や屋根の補修などの必要な改修を実施いたします。あわせて、東京国体や国際的なスポーツ大会の開催にふさわしい施設へ再生するため、改築も視野に入れた施設の改修を計画的に実施してまいります。

早坂委員

 都立スポーツ施設は、国際大会も開催できる広域的な施設であることに加えて、スポーツ振興の拠点としての役割を今後も十分に担ってほしいと思います。
 だれもが、どこでもスポーツに親しめる社会を実現するためには、都民のスポーツ環境を整えることが重要です。都内には、東京都や区市町村が整備した公的スポーツ施設のほか、多くの企業のスポーツ施設などが集積しており、これらの財産を都民が享受できるような環境づくりが必要と考えます。今後もスポーツ振興基本計画を踏まえ、社会環境の変化に対応したスポーツ環境の整備に取り組むようお願いをいたします。