2013.03.13 : 平成25年度予算特別委員会
「緩和ケア診療体制」

早坂委員

 さて、医療は何のためにあるか。その目的は、死を避けることではないでしょう。なぜなら、人は必ず死するものだからです。痛みをとり、苦痛を和らげ、障害を可能な限り取り除く。そうしたことによって、生命の質、クオリティー・オブ・ライフを高めることにこそ医療の目的があるのだろうと私は考えます。
 今日、我が国の二人に一人が、がんにかかり、三人に一人が、がんで死亡しています。がん患者の三人に二人は痛みを訴えることからすれば、がん対策を進めていくことは大きな意義があります。
 緩和医療の重要性につきましては、平成二十三年第三回定例会の一般質問で、当時の石原慎太郎知事と詳しくやりとりしましたので、ここでは繰り返しません。
 国は、平成二十五年度より、緩和ケア推進事業を予算化するとしています。その内容は、都道府県がん診療連携拠点病院において、緩和ケアセンターを設置し、診療体制の整備を行うとのことですが、東京都は、緩和ケア診療体制の充実に向け、今後どのような取り組みを行うのか伺います。

◯川澄福祉保健局長

 これまで都は、三十四カ所の拠点病院等に、緩和ケア外来や、医師、看護師、医療心理職等、多職種で構成する緩和ケアチームを設置し、がんと診断されたときから、必要な患者に確実に病院内で緩和ケアを提供できる体制を整備しております。
 また、今年度から、地域における緩和ケア水準の向上を図るため、都内二カ所の二次保健医療圏で、がん診療連携拠点病院が中心となり、地域の医療機関や関係団体等の協力を得て、緩和ケア推進会議を設置しております。推進会議では、医療資源リスト等を作成して情報を共有化するとともに、研修会や症例検討会等を通じて、相互にバックアップする体制の構築に取り組んでおります。
 今後、この事業を検証し、都内全域で地域緩和ケアが提供できる仕組みを整備してまいります。

◯村上副委員長

 早坂義弘委員の発言は終わりました。(拍手)