2011.02.07 : 平成23年厚生委
「総合病院誘致」
◯早坂委員
本件は、大田区六郷地区に総合病院を誘致してほしいとの陳情でありますが、病院を開設するためには、医療法に基づき、二次保健医療圏ごとに定めたベッド数、基準病床数の範囲内でのみ開設が可能であります。
そこで、東京都全体の基準病床数と、それに対して現在ベッドが幾つあるかという既存病床数の状況について伺います。
あわせて、東京都内十三の二次保健医療圏のうち、基準病床数を満たしていない圏域は幾つあるか伺います。
◯中川原医療政策部長
都全体の基準病床数は九万五千七百四十四床であり、現在許可しております既存病床数は、平成二十二年十月一日現在十四万三千九十八床で、差し引き七千三百十二床の過剰となっております。
十三の保健医療圏のうち、基準病床数を満たしていない圏域は、区南部保健医療圏を初め九圏域となっております。
◯早坂委員
東京都全体で七千三百床の過剰ということでありましたが、これはどういう理由によるものでしょうか。基準病床数をオーバーするものについては許可されないのではないでしょうか。
◯中川原医療政策部長
基準病床数につきましては、平成元年に保健医療計画が策定された際、国の算定基準に基づき設定されたものでございまして、それ以前に許可された病床数が、その算定基準により算出した病床数を上回っている圏域も存在するということでございます。
◯早坂委員
では、大田区の属する区南部保健医療圏の基準病床数と、今現在の既存病床数はそれぞれ何床か、また、現時点で区南部保健医療圏において開設あるいは増設の計画書が提出されているのか伺います。
◯中川原医療政策部長
区南部保健医療圏の基準病床数は七千九百三十床でございます。これに対しまして、現在許可されている基準病床数は、平成二十二年十月一日現在七千四百三十一床で、差し引き四百九十九床の不足となっております。今現在四百九十九床の不足に対しまして、七百二十七床の計画が提出されております。
◯早坂委員
現在七百二十七床の開設ないし増設の計画が提出されているとのことでありましたが、不足は四百九十九床なので、四百九十九床を上限に病院の開設などが許可されるというふうに理解いたしました。
では、同一の二次保健医療圏域内で病院が移転をすることは可能なのか伺います。
◯中川原医療政策部長
同一の二次保健医療圏域内で病院が移転することにつきましては、当該病院が現在の許可病床数の範囲内においてであれば可能というふうになってございます。
◯早坂委員
昨年、大田区議会にも同様の請願が出されたと伺いましたが、その内容と採択の状況について伺います。
◯中川原医療政策部長
大田区に提出されました請願は、用地確保等、六郷地区への総合病院の誘致について、大田区として協力することを求めるという内容でございます。採択の状況につきましては、全会一致で採択されたと聞いております。
◯早坂委員
請願は全会一致で採択とのことでありましたが、では、現在、大田区に具体的な病院の誘致計画はあるのでしょうか。もしあるとすれば、東京都として何ができるのか、病院の誘致を行うに当たっての東京都の役割について伺います。
◯中川原医療政策部長
大田区にお伺いしましたところ、具体的な病院の誘致計画はないとのことでございました。東京都保健医療計画では、医療の確保における都の役割として、住民に身近な地域医療の確保に主体的に取り組む区市町村への支援を位置づけております。
したがいまして、病床が基準病床数を下回っている圏域におきまして、区市町村が病院を誘致する場合には、これまでも都は、公正な病床配分を行うとともに、行政医療に必要な施設整備について支援を行ってまいりました。
現在、区南部保健医療圏は、四百九十九床の不足に対して、基準病床数を上回る申請が出されている状況でございますが、将来、病院の廃止等により病床が不足となったときには、新たな病院の開設が可能となります。その時点で、大田区に病院誘致の計画があれば、都としては、保健医療圏の基準病床数の範囲内で公正な病床の配分を行うとともに、病院からの申請があれば、救急や災害医療などの個々の行政医療に必要な施設整備につきまして支援を行ってまいります。
◯早坂委員
現時点では、具体的な病院誘致の計画はないということでありました。また、病院の誘致は区市町村が主体であり、東京都の役割はその支援だと理解しました。その意味で、今回の陳情をそのまま採択することについては、少し時期が早いのかなと感じます。
しかしながら、六郷地区の住民の皆さんの長年にわたるお気持ちは十分に理解できます。また、大田区議会において、同様の請願が全会一致で採択されていることから、大田区において病院誘致の計画が策定されたときには、東京都に適切な支援を求めるものとして趣旨採択が適切と考えます。