2010.12.08 : 平成22年第4回定例会
「隅田川のスーパー堤防」

四十一番(早坂義弘君) 

 最後に、河川の整備について伺います。
 私は、平成十七年九月、杉並区を中心に発生したゲリラ豪雨による河川はんらんで腰まで水につかる経験をしました。中小河川である善福寺川や妙正寺川の流域で三千二百戸もの浸水被害があったことは、記憶に新しいところです。
 国土の四分の一が海抜ゼロメートルのオランダでは、実に四千年に一度の水害に備えた対策をとっているといわれています。
 一方、東京の海抜ゼロメートル地帯にも百五十万人が暮らしています。
 今般、民主党政府が行った事業仕分けにおいて、国のスーパー堤防が廃止と判定されました。その際、民主党議員から、スーパーむだ遣いとか宇宙人の襲来から身を守るような事業だと、さんざんないわれ方をしました。
 代案を示すこともなく、一方的な廃止との判断は、流域に暮らす多くの国民の生命と財産を、水害から何としても守るという為政者の覚悟を決定的に欠いています。
 スーパー堤防には、国が直轄河川で整備しているものと東京都が整備しているものの二種類がありますが、今回仕分けを受けたのは国のスーパー堤防です。東京都が独自に隅田川などで進めているスーパー堤防は、治水はもちろん、景観形成などを目的とするものです。
 スーパー堤防が整備された場所では、まちと川を隔てていたかみそり堤防が取り払われ、緑が多く眺望の開けた良好な水辺空間が形成されています。このように、東京都のスーパー堤防の整備は、都市に風格をもたらすとともに、まちづくりにも大きな影響を与えていていると考えます。
 民主党政府の仕分けでは廃止を決めた。しかし、東京都はこれからも責任を持ってしっかりと整備をしていく。その決意を明らかにするため、これまで行ってきた隅田川のスーパー堤防整備の成果について伺います。
 ありがとうございました。(拍手)

〔建設局長村尾公一君登壇〕
◯建設局長(村尾公一君) 

 隅田川のスーパー堤防整備の成果についてでございますが、隅田川では、すべての区間で高潮防潮堤が整備されており、現在は、耐震対策や良好な景観の創出、親水性の向上を目的として、川沿いの民間開発などと一体的にスーパー堤防事業を進めております。
 これまで、大川端や新川・箱崎地区など、隅田川の堤防延長の約三割に当たる合計約十三キロメートルが完成しております。完成した区間では、都市空間と水辺が一体となった魅力あるまちとして生まれ変わり、テラスでは多くの人々が散策を楽しむとともに、川岸を含めた美しい都市景観を生かし、地域のイベントやテレビ、映画などの撮影にも多く利用されており、活況を呈しております。
 また、白鬚西地区ではスーパー堤防と再開発事業をあわせて実施したことにより、水辺と連担した広大な公園が一体的に整備され、人々の憩いの場となるとともに、災害時には約十二万人が避難できる広域避難場所を確保することができました。
 今後とも、地元区や民間開発者と連携を図りながら事業を着実に推進し、安全でにぎわいのある水辺の創出に努めてまいります。