2013.03.13 : 平成25年度予算特別委員会
「都営地下鉄の耐震強化と大規模災害発生時の情報提供」

早坂委員

 次に、都営地下鉄の防災対策について伺います。
 昨年修正された東京都地域防災計画では、安全な交通ネットワークの確保策として、鉄道施設の耐震化や早期復旧対策が挙げられています。我が党の代表質問で、今後の地下鉄施設の耐震化対策について伺い、交通局長から、国の方針に先駆けて一歩進んだ対策に取り組むとの答弁がありました。そこで、都営地下鉄の耐震対策について具体的にどのように取り組むのか、お伺いいたします。

◯中村交通局長

 東京都地域防災計画が想定した大地震の発生に備え、都営地下鉄において、耐震対策の一層の強化が必要であると考えております。今後、東日本大震災での教訓を踏まえまして、運行の早期再開を図る観点から、高架部の橋脚や地下鉄の中柱など、約三千八百本の補強を計画的に実施いたします。
 具体的には、まず、地下鉄運行の起点となります車両基地の工事を、平成二十六年度までに完了させますとともに、本線内は、車両基地側の駅から折り返し運転が可能で、他社の路線と乗りかえることができる駅までを優先的に施工いたします。例えば、浅草線では、馬込車両基地に引き続き、西馬込駅からJR線などと乗りかえが可能な新橋駅までの区間を、二十七年度までに完了いたします。

早坂委員

 東日本大震災では、都内だけでも三百五十万人の帰宅困難者が発生しました。駅は、大勢の人が集まってくる場所でありますから、大規模災害が発生した場合に、各地域の被災状況や公共交通機関の運行状況などの情報提供を行うことは非常に有意義です。そこで、都営地下鉄における、大規模災害発生時の情報提供に向けた交通局の取り組みについて伺います。

◯中村交通局長

 都営地下鉄の駅では、現在、大型ディスプレーを備えた列車運行情報表示装置を改札口に設置して、都営線や他社線の列車の運行情報を表示しております。
 東日本大震災では、NHKの報道が、各地の被災状況や鉄道の運行情報を得る上で非常に有益でございました。このため、乗降客が多く、帰宅困難者の発生が見込まれる駅を優先して、交通局が管理する全百一駅のうち四十三駅で、NHKの緊急災害放送を提供できるように装置を改修いたしました。
 今後、来年度末までに、すべての駅において放送を視聴できるよう、着実に整備を進めてまいります。
 この取り組みに加えまして、大規模災害発生時には、地元自治体、警察、消防などと連携し、駅の構内放送や掲示等を迅速かつ正確に行うことによりまして、お客様への情報提供の充実を図ってまいります。

早坂委員

 今週月曜、三月十一日には、都営地下鉄と東京メトロが、初めて合同で帰宅困難者訓練を行いました。今後とも、このような訓練を行い、乗客の安全確保に努めていただきますよう、お願いをいたします。