2012.09.26 : 平成24年第3回定例会
「初期消火の訓練指導」

六十七番(早坂義弘君) 

 そこで、消防総監に、震災による火災被害軽減のため、都民に対してどのような訓練指導を行っているのか伺います。
 関東大震災では、着衣着火による焼死も報告されています。当時と違い、今日の素材には化学繊維がふえています。このことが被害を大きくするかもしれません。アメリカでは、着衣着火に対する身の処し方として、ストップ・ドロップ・アンド・ロールという言葉を教えています。すなわち、衣服に火がついたとき、駆け回ると火をあおることになるから、ストップ、立ちどまれ、次にドロップ、倒れろ、そしてロール、転がって衣服の火を消せという実践的な教えです。
 また、昭和二十年三月十日の東京大空襲による火災の記録を見ると、四つ角に飛び出した瞬間に、熱風で目や肺をやられることもあるようです。
 冒頭、私は、防災で最も大切なのは命を守ることだと申し上げました。不幸にして延焼火災が発生し、初期消火もできないとなると、最後に身を守るのは避難です。首都直下地震から命を守るには、こういった実践的な避難方法に対する研究と普及啓発が必要です。東京消防庁など、関係ご当局のさらなるご努力を心から期待します。

〔消防総監北村吉男君登壇〕
◯消防総監(北村吉男君)

 地震火災による被害を軽減するための訓練指導についてでありますが、さきに公表された首都直下地震等における被害想定では八百十一件の火災の発生が予想されていることから、地域住民による初期消火が極めて重要であると認識しております。このことから、当庁では、軽可搬消防ポンプやスタンドパイプなどによる初期消火訓練指導の強化を図ってまいりました。
 また、新たに、延焼拡大の危険性が高い木造住宅密集地域を重点に、狭隘道路に設置されている排水栓を活用した初期消火訓練を実施しております。
 今後とも、消防団及び関係機関等と緊密に連携した実践的な防災訓練を推進し、地域の初期消火体制の強化に努めてまいります。