2007.12.12 : 平成19年第4回定例会(第18号) 本文
「下水道の浸水対策」

早坂委員

 次に、浸水対策について伺います。
 近年、大型台風や局所的集中豪雨による被害が各地で多く発生しています。
 一昨年の九月四日には、一時間に一〇〇ミリを超える集中豪雨により、我が杉並区などを中心に五千棟を超える浸水被害が発生しました。この豪雨災害では、私自身も腰までつかる経験をし、都市型水害の恐ろしさを目の当たりにしました。
 このような集中豪雨による都市型水害の特徴は、河川のはんらんにとどまらず、下水道の能力を超えて浸水が発生することにあります。河川の被害は想像しやすいですが、下水道に関する被害は、都市の中心部など、思わぬところで発生するところに恐ろしさがあります。
 集中豪雨直後の一般質問でも取り上げました和田弥生幹線が、十五年の歳月と五百億円の費用をかけ、本年五月に本格稼働を始めました。この完成により、今後、周辺の浸水被害が軽減されると確信しています。
 災害対策の本質は、インフラ整備にこそあります。東京都は、一昨年の集中豪雨を契機に、都市整備局、建設局、下水道局の三局で今後の豪雨対策のあり方の検討を進め、本年八月に東京都豪雨対策基本方針を策定しました。この方針の中で下水道局はどのような対策を行うのか、伺います。
 我が杉並区内で繰り返し浸水被害を受けている地域に、JR阿佐ヶ谷駅周辺があります。今後、この地域の豪雨対策をどのように実施するのか、伺います。

〔下水道局長前田正博君登壇〕

○下水道局長(前田正博君)

 豪雨対策基本方針における下水道局の対策についてでございますが、下水道局は、一時間五〇ミリの降雨に対応できる幹線やポンプ所などの基幹施設の整備を計画的に進めてまいりました。しかし、これらの基幹施設の整備には長い年月と多くの費用を要し、雨水整備率は、現在、約六割にとどまっております。
 今回策定されました豪雨対策基本方針の中では、浸水予想区域図などをもとに、浸水の危険性が高い流域や、繰り返し浸水が発生している二十地区を、対策促進地区として選定いたしました。対策促進地区では、今後十年間で一時間五〇ミリメートルの降雨に対応できる基幹施設の整備を完了させることといたしました。
 また、地下街などがあり、浸水時には重大な被害が発生する危険性が高い地区を六地区選定いたしまして、一時間七〇ミリメートルの降雨に対応できるよう、施設を整備いたします。
 次に、JR阿佐ヶ谷駅周辺の豪雨対策についてでございますが、当該地区は、起伏が多いといった地域特性から、地盤の低いところで繰り返し浸水被害が発生しております。このため、豪雨対策基本方針の中では、この地区を二十ある対策促進地区の一つとして選定し、対策を実施することといたしました。
 具体的には、内径二・八メートル、延長四百五十メートルの貯留管を新たに設置し、約二千四百立方メートルの雨水を貯留する計画で、早期完成を目指し、積極的に整備を進めてまいります。
 今後とも、豪雨対策基本方針の施策を着実に実施し、浸水被害の軽減を図ってまいります。