2006.11.28 : 平成18年文教委員会 本文
「日本版アスレチックコミッション」

◯三田村生涯学習スポーツ部長 

 一八第六四号、日本版アスレチックコミッション(スポーツ運営委員会)創設に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情は、杉並区斉藤健一さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都においてスポーツ興行団体の規制、管理をするスポーツ委員会を創設していただきたいというものでございます。
 これに関する現在の状況でございますが、東京都のスポーツ振興は、都民のだれもが、いつでも、どこでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現を目指して、さまざまな施策を展開しているところでございます。
 プロスポーツに対する規制、管理は、都がスポーツ振興の施策としているところではなく、格闘技を初めプロの興行団体が主催するプロスポーツの試合内容の規制については、団体による自主的な対応が適切であると考えております。
 また、プロスポーツの興行に伴って発生する金銭トラブル、格闘家の死亡事故や障害者の不当な労働条件などの問題に対しては、個別の法令や規則等によって対応していくものと考えております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

早坂委員 

 この斉藤さんの陳情によりますと、プロスポーツの興行、とりわけプロレスなどの格闘技の興行についていろいろと問題があるようで、こうした団体を行政が統制する仕組みができないかということであります。
 ただいまのご説明によると、東京都のスポーツ振興としては、いわゆるプロの興行に対する規制、管理などは、都民の生涯スポーツ社会の実現という観点から、施策の対象としているところではないということであり、この点はよくわかります。理解することができます。
 それでは、例えば国においては、プロスポーツに対する規制などは行われているのでしょうか。

◯三田村生涯学習スポーツ部長

 文部科学省では、プロスポーツ団体に関しては、団体の公益法人としての設立許可を行うこと、法人として適正な運営がなされているかの調査等を行っているものの、団体傘下の各チームが行う個別の試合内容や団体の活動に対する指導は行っておらず、自主的な規制にゆだねているとのことでございます。

早坂委員 

 国においても公益法人としての適正な運営という視点での調査などは行っているものの、個別の試合や団体の活動内容などは、団体による自主的な対応とのことであります。
 具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。また、個別の法令や規則などによる対応としてどのような規制が想定されるのでしょうか。

◯三田村生涯学習スポーツ部長 

 例えば、同じ格闘技であるプロボクシングにおきましては、文部科学省の所管法人である財団法人日本ボクシングコミッションがございますが、この団体は国内におけるプロボクシングの活動を統括しており、プロボクシングの試合や興行の管理、選手の健康管理及び安全防護の徹底などを行っております。
 また、法令による規制としては、例えば選手と団体との金銭をめぐるトラブルなどは、雇用契約上の問題として整理でき、民法や労働関係の法律によって対応していくものと考えられます。
 さらに、例えば暴力的なプロレス興行が青少年の健全育成を阻害するおそれがあるような場合には、東京都青少年の健全な育成に関する条例によって、興行場の経営者はこれを観覧させないように努めなければならないとされております。
 こうした団体による自主的な管理や既存の法令等により、現時点では対応が可能ではないかと考えております。