2009.03.18 : 平成21年文教委員会
「中学校での武道必修化」
◯早坂委員
まず、中学校での武道必修化について伺います。
このたびの学習指導要領の改訂により、中学校で武道が必修化されました。その背景について伺います。
〇高野指導部長
平成十八年十二月、六十年ぶりに教育基本法が改正されまして、教育の目標に、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことが位置づけられまして、学校教育法も改正されました。
こうしたことを受けまして、平成二十年一月の中央教育審議会答申において、保健体育科における武道の指導を充実し、我が国固有の伝統や文化により一層触れることができるようにすることが重要であると示されまして、平成二十年三月、中学校学習指導要領の改訂により、武道が必修化されることとなりました。
◯早坂委員
武道の必修化について、その具体的な内容について伺います。
〇高野指導部長
現行の学習指導要領では、中学校第一学年で武道またはダンス、いずれかを実施いたしまして、第二学年、第三学年では、球技、武道、ダンスのうちから二領域を選択し、実施することとなっております。したがいまして、必ずしもすべての生徒が武道を学習することとはなっておりません。
今回の改訂によりまして、平成二十四年度からは、第三学年になるまでにすべての生徒が武道を学習するものとされまして、その種目といたしましては、柔道、剣道、相撲の中から一つを選択して学習することとなりました。
◯早坂委員
武道の必修化により指導者の問題、土俵や道場の問題、あるいは竹刀や防具の問題など、幾つかの条件整備が必要となります。国においては、中学校での武道の必修化に向け、国庫による条件整備を開始したと承知していますが、これまでは選択履修であったため、準備のない区市町村においては、今後、施設、用具の面での条件整備を進めることが求められます。 こうした区市町村独自の取り組みに加え、東京都教育委員会においても支援すべきと考えます。武道の必修化に向け、東京都教育委員会としての今後の取り組みについて伺います。
〇高野指導部長
武道の必修化によりまして、平成二十四年度からはすべての中学校保健体育科教員が武道の指導に当たることとなります。特に武道は専門的な指導力が必要とされる領域でございまして、安全確保に留意しつつ指導力を向上させる必要がありまして、十分な研修を行うことが求められております。
このため、都教育委員会は、平成二十一年度以降、保健体育科教員を対象に、柔道を初めとする武道の指導者講習会を順次開催いたします。また、平成二十二年度には武道に関する指導事例集を配布するなどいたしまして指導力の向上に努めてまいります。
◯早坂委員
これから武道の講習会を開催して教員の指導力向上を図るということですが、例えば各地の柔道連盟、剣道連盟の皆さんや各警察署にいる柔道、剣道の先生に応援を求めるのも一つのアイデアだと思います。現に東京都柔道接骨師会の先生方からは、武道の必修化の際にはぜひ協力しますよとのお話もいただいております。教職員の研修だけではなく、外部人材の活用も有効と考えます。ご見解を伺います。
〇高野指導部長
学校におきましては、教員が指導することが基本ではございますが、地域の有段者など外部の専門家の力を活用することは、武道指導を充実する上で効果があると考えられます。こうしたことから、都教育委員会では、平成二十四年度の完全実施に向けまして、東京都武道協議会と外部人材の活用について協議を始めたところでございます。
今後とも区市町村教育委員会やお話の地域の関係団体などとの連携を深め、外部人材活用のあり方などについて検討を進めてまいります。