2011.06.28 : 平成23年厚生委員会
「義援物資と義援金」

早坂委員

 次に、義援物資と義援金について伺います。
 三月十八日から十日間、東京都は都庁第二庁舎で義援物資を受け付けました。そこでまず、東京都が義援物資の募集を行った根拠について伺います。

◯松浦指導監査部長

 義援物資の募集根拠でございますけれども、都の地域で災害が発生した場合につきましては、東京都の地域防災計画におきまして、義援金品の募集を行うか否かについて検討しまして決定するということになっておりますけれども、ほかの県の被災者に対する義援物資の募集については、根拠となる規定はございません。
 しかしながら、都民の方々や各種団体の方々から、東北地方の被災県に義援物資を送りたいという声が数多く寄せられました。また、三月十四日には、福島、宮城、岩手の三県から全国知事会に対しまして、生活物資を送ってほしいという要請が行われました。
 そこで、都といたしましては、募集する義援物資の品目、受付場所、一時保管場所、被災地までの搬送手段、これらを検討しまして、都としまして義援物資を募集するというふうに決めたわけでございます。

早坂委員

 私も、受付会場となった都庁第二庁舎に二度、足を運びました。そこですばらしい仕組みだと感じたのは、義援物資をお持ちくださった方に、そのまま受付会場に残っていただき、物資の仕分けまで手伝っていただくよう声をかけていたことです。当時、私のところにも、何か東京でできるボランティアがしたいという多くの方からお話をいただきました。その際には、この義援物資の仕分けを紹介しました。
 一方で、たくさんの義援物資の受付作業があって、他方でたくさんのボランティア希望者がいる。すべてを行政任せにするのでなく、市民みずからが参加する仕組みを実現したことは、成熟した市民社会を大いに感じさせるものでありました。マッチングがうまくいった事例であります。
 しかしながら、物資が集まり過ぎ、被災地での受け入れと東京での倉庫の両者がパンクして、ごく短期間で受け付けを終了したのは、とても残念なことでした。発災後しばらく日数が経過した後、被災地の避難所を訪れると、義援物資が山積みになっているのを目にします。大勢の皆さんのとうといお気持ちで物資があふれるのは喜ばしいことですが、ある部分は焼却処分することになり、それを週刊誌が取り上げるのも、災害のたびに目にする光景です。
 非常時ゆえ、完璧な配送計画は望むべくもありませんが、被災地の手前に義援物資の集約基地を置き、どこで何がどれくらい必要かという情報を被災地の外側で集約し、そこから避難所なり福祉施設に直接届けることを検討すべきだと思います。つまり、被災した県の県庁や市役所にまとめて送っておしまいにするのでなく、最終的な配送先までこちらからお届けするようにすべきだということであります。
 また、お届けいただいた物資すべてをそのまま被災地に送らなければならないということはありません。物資が集まり過ぎたのであれば、被災地支援セールを開催し、義援物資を都民向けに販売して、現金にかえて被災地にお送りすることもできます。義援物資を送りたいというとうといお気持ちを倉庫のキャパシティーを理由に制限するのはもったいないことだと思います。ぜひご検討くださいますようお願いいたします。
 次に、義援金について伺います。
 東京都は、被災者支援のために義援金の募集を行いました。この根拠について伺います。あわせて、日本赤十字社や共同募金会、テレビ局や新聞社が募集している義援金との違いについて伺います。

◯松浦指導監査部長

 まず、日本赤十字社などが募集している義援金でございますけれども、これらは全国各地や海外から寄せられたものでございます。この日本赤十字社や中央共同募金会に集まった義援金につきましては、国の義援金配分割合決定委員会、この決定によりまして、被災者数と被災家屋数を単位としまして、各被災県に配分するものというふうになってございます。
 一方、都が募集している都民からの義援金でございますけれども、東北地方太平洋沖地震東京都義援金と称しまして、被災地を支援するためという目的で募集したものでございます。義援物資の募集と同様、地域防災計画などの根拠はなく、都の判断により実施したものでございます。
 都民からの義援金につきましては、第一次分としまして、五月に被災の大きかった宮城、福島、岩手の三県に対しまして、都民の意思を伝えるため、直接、一億円ずつ贈呈したということでございます。

早坂委員

 東京都からの義援金の特徴は二つ。第一に、日赤や共同募金会の義援金は、送り主がわからないのに対して、東京都から送った義援金は、直接被災県へ届けられるため、都民の気持ちがダイレクトに伝わるということ。第二に、東京都からの義援金は、各県の事情に応じて、支給対象者の拡大や、他の義援金の上乗せなど弾力的に活用できることです。
 さて、東京都の義援金は現在までに六億円を超え、日赤や共同募金会の義援金は二千八百億円に達しています。しかしながら、先日、義援金の配分が遅々として進んでいないとの新聞報道がありました。新聞の解説によると、おくれている理由は二つ。第一に、被害の規模が確定しない中で、後から義援金が足りなくならないように、最初の配分では、犠牲者や損壊家屋の総定数を最大に見積もったこと。第二に、戸籍の確認や、建物被害認定を行う自治体自身も被災し、事務手続がなかなか進まなかったことであります。いずれにしても、大勢の皆さんから善意で寄せられた義援金は、一刻も早く被災者のもとに届けることが必要です。
 そこで、東京都の義援金も早く被災県へ届けるべきと考えます。ご見解を伺います。

◯松浦指導監査部長

 都民からの義援金でございますが、お話のとおり、六月十日現在で六億と二十二万円ということになりました。このうち三億円につきましては、既に第一次分としまして、岩手、宮城、福島の被災三県に一億円ずつ贈呈しているところでございます。
 現在、第二次分の贈呈につきまして、岩手、宮城、福島の被災三県と調整しているところでございますが、副委員長ご指摘のとおり、早々に、さらに一億円ずつ、計六億円を贈呈して、一次分と合わせまして、三県に二億円ずつ、計六億円贈呈するということにしたいと考えております。